京極夏彦さんの小説「今昔百鬼拾遺 鬼」の感想です。
中禅寺敦子と呉美由紀、2人が協力して事件を解決する『百鬼夜行』新シリーズです。
昭和29年の冬に起きた連続辻斬り事件の真相に迫ります。
「今昔百鬼拾遺 鬼」の基本情報
- 作者:京極夏彦
- 刊行:2018年2月より期間限定特設サイトにて発表
- 2019年4月に講談社より文庫化
- 短編集「今昔百鬼拾遺 月」にも収録
- シリーズ:あり
- 百鬼夜行シリーズ・15作目
- 短編としては6作目
- 今昔百鬼拾遺・1作目
- 注意点
- 性的な描写なし
- グロテスクな描写ややあり
「今昔百鬼拾遺 鬼」のあらすじ
「今昔百鬼拾遺 鬼」は京極夏彦さんのミステリー小説です。
憑物落とし・中禅寺秋彦が登場する『百鬼夜行シリーズ』の新シリーズ短編となります。
短編としてはシリーズ6作目、シリーズ全体としては15作目です。
「今昔百鬼拾遺 鬼」の主役は中禅寺敦子。
長編5作目に登場した中学生・呉美由紀とともに、連続辻斬り事件の真相に迫ります。
まずは、そんな「今昔百鬼拾遺 鬼」のあらすじを掲載します。
「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。しかも斬り殺されるんだという話でした」 昭和29年3月、駒沢野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。百鬼夜行シリーズ最新作。
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「今昔百鬼拾遺 鬼」の年月は昭和29(1954)年の1~3月にかけて。
1~2月にかけて発生した連続辻斬り事件。
江戸時代でもないのに、そもそも江戸時代ですら珍しい刀を使った辻斬り事件が昭和に発生してしまいます。
その最後の被害者となったのは、呉美由紀が親しくしていた上級生・片倉ハル子でした。
美由紀は以前の事件で知り合いになった中禅寺秋彦の妹・敦子に事件のことを相談します。
そして2人で事件の真相に迫っていくことになるのです。
「今昔百鬼拾遺 月」にも収録
「今昔百鬼拾遺 鬼」は2018年にインターネットの特設サイトにて限定公開された小説です。
その後、2019年に文庫として講談社より書籍化。
さらに、その翌年には他の2作品も合わせて収録された短編集「今昔百鬼拾遺 月」として刊行されています。
「今昔百鬼拾遺 月」は「鬼」の他にも「河童」・「天狗」といった短編を収録。
「河童」・「天狗」はそれぞれ単独で文庫化されています。
「今昔百鬼拾遺 鬼」の感想
「今昔百鬼拾遺 鬼」の感想・あらすじです。
憑物落としの出番なし
「今昔百鬼拾遺 鬼」はシリーズに憑物落とし(探偵)として登場する中禅寺秋彦が登場しません。
話題には上るものの、姿を現すことはなし。
中禅寺秋彦の登場がなく、事件は解決します。
中禅寺秋彦がいない劇中で、かわりに探偵となったのは妹である中禅寺敦子。
さすがは兄妹といえるような鋭い洞察力をみせ、事件を解決に導きます。
兄のような回りくどさも感じる憑物落としはなく、単刀直入な探偵らしい探偵ぶりでした。
また、依頼人のような立場となった呉美由紀もワトソンのような助手として活躍。
女性探偵&少女の助手、という新たなバディものとして魅力的でした。
実際は探偵でも、助手でもないのですが。
呪いの刀に囚われた一族
「今昔百鬼拾遺 鬼」では、ある一族の女性を殺し続ける呪いの刀が登場します。
片倉家の女は斬り殺される。
そう語り継がれ、実際に刀で斬り殺されてしまった少女・片倉ハル子。
ハル子は一族の因縁により殺されてしまったのか?
訝しいと思いながらも呪いを怖がる美由紀に対し、敦子は呪いを真っ向から否定します。
シリーズを通して、中禅寺敦子は圧倒的科学の子。
常識では考えられないような異常事態でも、呪いや祟りだなどとは一切考えず、あくまで科学的に判断し続けています。
片倉家に伝わる刀と因縁に関しても、順を追って考え、呪いを否定。
『呪われている』とされる刀に『斬り殺される運命にある』とされている片倉家の女性。
そんな呪いも運命も敦子が断ち切っていきます。
兄・秋彦のようなうんちくはなく、一刀両断で事件を解決に導くので、シリーズの中ではもっとも探偵小説らしいお話しと思えました。
京極夏彦さんの別作品に登場したキャラクターも再登場。
刀にまつわる呪いと、連続辻斬り事件の犯人とは?
日本刀はわたしのような興味のない素人が見ても美しいですが、魅入られてしまうとちょっと怖いな、と感じてしまいました。
ここまで「今昔百鬼拾遺 鬼」の感想でした。


